人間の歯は基本的に上下16本ずつの計32本ありますが、それぞれに番号が振られています。
これをおさえておけば、歯に関する情報を知りたいなと思ったときに、どの歯を指しているかすぐわかるようになりますし、歯医者さんと歯科衛生士さんとの間で交わされる会話の内容も少し理解できるようになるかもしれません。
パーマー・ノーテーション/ジグモンディ・システム
歯の番号は、前歯を1番として奥にいくにつれて番号が大きくなっていく仕組みになっています。
上顎(じょうがく)、下顎(かがく)をそれぞれ左右に分けて、8つずつ番号を割り振っているというわけです。
左右は自分から見たときの位置です。
たとえば右下6番といったら、治療する歯医者さんの側から見れば左下の第1大臼歯を示すことになります。
それぞれの歯には名前がついています。
1番→中切歯(ちゅうせっし)
2番→側切歯(そくせっし)、
3番→犬歯(けんし)
4番→第1小臼歯(だいいちしょうきゅうし)
5番→第2小臼歯(だいにしょうきゅうし)
6番→第1大臼歯(だいいちだいきゅうし)
7番→第2大臼歯(だいにだいきゅうし)
8番→第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)
8番の第3大臼歯はいわゆる親知らずというやつです。
歯は全部で32本あると最初に書きましたが、大人になってからの矯正では抜歯タイプでも非抜歯タイプでも親知らずは基本的に4本とも抜くことになると思うので、歯の数は28本ということになります。
この歯の番号の割り振り方は世界共通ではなく日本でよく使われているもので、「パーマー・ノーテーション(Palmer notation)」、もしくは「ジグモンディ・システム(Zsigmondy system)」と呼ばれています。
ちなみに乳歯の場合は、数字ではなくA~Eの記号を使って歯を表します。
ユニバーサル・ナンバリング・システム
アメリカでは歯それぞれに固有の番号を割り振った「ユニバーサル・ナンバリング・システム(Universal numbering system)」という表記法が用いられています。
一般の患者としては左右上下の1から8の番号のほうが感覚的にわかりやすいと思いますが(数字が増えていくほど奥の歯になるんだなといった感じで)、歯科医からするともしかするとこちらの表記のほうが伝えまちがいがないので便利という人がいるかもしれません。
FDI方式
表記法にはもうひとつ「FDI方式(FDI World Dental Federation notation)」というものもあります。
こちらは右上を1、左上を2、左下を3、右下を4として、あとはパーマー・ノーテーションで使われている1~8の番号を組み合わせて、各歯を二桁の数字で表したものです。
日本でもこれらの表記法を使っている歯科医がいます。