大人の歯の矯正はこの3種類(表側・裏側・マウスピース)をおさえておけばOK

歯の模型とマウスピースを持つ女性

歯列矯正とひと口にいってもいくつかの方法があります。
今回は成人の矯正で代表的な3つの種類について紹介します。実際ほとんどの人はこの3つの中から選ぶことになると思います。

自分に合った矯正方法を見つけて、矯正への第一歩を踏み出しましょう。

表側矯正

歯列矯正の中でもっともメジャーなのがこの表側矯正です。
表側の歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。
矯正というと、ほとんどの人がワイヤーを使ったこの表側矯正を思い浮かべるのではないでしょうか。

表側矯正

表側矯正

かつては見栄えがよくないメタルブラケット(銀色の金属製ブラケット)とワイヤーを使うことが多かったのですが、近年は審美ブラケットという、透明や白い素材のブラケットと白いワイヤーを組み合わせた目立ちにくいものが主流になりつつあります。

一般的にはメタルブラケットのほうが安く、審美ブラケットのほうが若干高価になりますが、最近では値段の差をつけずに審美ブラケットのみを使う矯正歯科も増えています。

矯正期間は歯並びの状態によって変わってきますが、成人の場合1年半から3年ほどで終わることが多いです(その後の保定期間を除く)。

表側矯正のメリット

・他の矯正方法と比べると比較的安い
・歴史が長いため熟練した矯正医が多い
・歯が動きやすいので治療期間も短い
・多くの症例に対応可能

表側矯正のデメリット

・表側の歯の表面に装置をつけるため見栄えが悪い
・装置がくちびるや頬の内側にあたって口内炎ができやすい

裏側矯正

裏側矯正は、舌側(ぜっそく)矯正、リンガル矯正とも呼ばれる矯正法で、表側矯正と同じようにブラケットとワイヤーを使うのですが、歯の裏側に装置をつけるため外側からは見えません。そのため人前に出る機会が多い人に向いた矯正法であるといえます。

裏側矯正

裏側矯正

表側と比べると費用が高く、舌に装置があたるため話しづらくなることがあります。

かつては表側矯正より矯正期間が長くかかるとされてきましたが、最近では表側と変わらない期間で矯正を終えることができるようになっています。

上の歯だけ裏側で、口を開けていても見えづらい下の歯を表側にして舌の不快感を軽減するハーフリンガルという方法もあります。

裏側矯正のメリット

・矯正装置をつけていることがわからない
・矯正期間中でも歯並びのよさを実感できる

裏側矯正のデメリット

・費用が高額
・喋りづらくなることがある
・十分な技術を持った矯正医が表側と比べると少ない

裏側矯正のメリットのひとつ、「矯正装置をつけていることがわからない」というのは、ほかの矯正法のメリットを上回る圧倒的な優位点だといえます。食事をしていても食べ物が矯正装置に詰まってそれを人に見られるという心配から解放されます。

「矯正期間中でも歯並びのよさを実感できる」というのは、たとえば表側矯正だと歯が動いてきて徐々に歯並びがよくなっても、最終的にワイヤーとブラケットを外すまで見た目的には「矯正をしている人」という印象のままですが、裏側矯正だと完全に歯並びがそろう前の段階でも、それなりに歯並びのいい印象を見る人に与えることができます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明樹脂のマウスピースを使って歯を動かしていく矯正法のことです。
少しずつ形の変えたマウスピースを着用することで、きれいな歯並びを実現します。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

ほかの矯正法と決定的に異なるのが、取り外しが可能な点です。
そのため違和感なく食事をすることができますし、歯磨きがしやすくデンタルフロスも使えるので衛生面でのメリットもあります。

矯正期間は歯並びの状態や一日どれくらい着用するかで変わってきますが、基本的にはワイヤー矯正とそう大差はありません。
結局歯が動くスピードというのはそこまで変わらないので、矯正法よりも元の歯並びによるところが大きいといえます。

いくつか方式があるのですが、代表的なのはインビザラインアソアライナー(クリアアライナー)です。
どちらもマウスピースを使うのは同じなのですが、インビザラインは歯型を最初に一度取るだけで済むのに対し、アソアライナーではその都度歯型を取る必要があります。

手間がかからないという点においてはインビザラインのほうに優位性がありますが、虫歯治療など、途中で歯の形が変わるような場合においてはアソアライナーのほうが対応しやすいです。

マウスピース矯正のメリット

・取り外しが可能
・透明のマウスピースなので目立ちにくい
・口内炎が起きない

マウスピース矯正のデメリット

・歯並びの状態によっては使えないことがある
・一日20時間程度の着用など自己管理が求められる
・歴史が浅く扱っているところがまだ少ない